九州で毎日、何を支店長録

食が中心になりがちな、ある支店長の備忘録

福岡はどう変化したか、を知る

約20年ぶりとなると、特に住んでいる

福岡の環境とか経済とかの状況をまず

どう変わったのかが知りたくなり、

たまたま本屋で面白い本を購入。

 

「データが示す福岡市の不都合な真実」

 (木下俊之/梓書院)

この書籍は福岡大学教授の木下氏が

過去からのデータをもとに福岡の実態を

数値で伝えるもの。

 

今、九州に転勤になった業界の

支店長たちが口を揃えて

私に言うのは、

 

「福岡は物価も安くて住みやすいですね」

「衣食の店にも困らないですよ」

「東京の店もあるし不自由ないです」

 

このあたりは私が戻ってくる20年前も

聞いた話だし地元の人間としてはあまり

ピンときてませんでしたが

先述の書籍を読んで少し納得がいった

ことがありましたね。

 

1、福岡市民の所得は30年間横ばい

   グラフでは

  ・1996年が343万円、

             2018年が334万円

  ・一番多いのは200万円~300万円で

            全体の18%

   次が300万円~400万円で15.4%

 

 例えば、企業で転勤を断れない

「全国社員」は基本的には

 本社が東京であれば給与基準は東京に

なるので福岡に転勤になれば年間でも

平均給与が100~200万円/年は軽く

違います。

「福岡は物価が安いですね」と転勤者が

言うのはこの感覚から来ているのでは

ないかと私は思います。

地元の人が福岡は物価が安いと

言ってる人たちがいますが、

これは所得が地元でも高いか、もしくは

木下氏の次の内容が要因ではないで

しょうか

 

2、福岡市の経済は卸売業・小売業で

       稼ぐ内需型の産業構造

 

 本書では福岡市の産業上位を記述して

ます。順位の1位は卸売、2位はその他の

対事業所サービス

5位に小売、7位に飲食サービスと

なっていました(2015)

 

 例えば食品で考えると九州の卸売は

活発ですし、スーパー小売りも競争が

激しく安売りで消費者を囲い込んでい

ます。

 物価が安いというのはこの業界の

競争原理からモノが安くなければ潰れて

しまうという構図が昔から変わっていな

いということではないかと私は考えまし

た(少し直接的ですが)

 

 つまりは、製造業やIT産業が上位に

いないのは生み出すモノ仕組みなどの

付加価値がないのが福岡であり引いては

九州で、それは私が福岡を去った20年前

から変化はなかったということでした。

 まずは、ここを押えて今後定年後も

永住する自分を考え、福岡を始め、

九州各地をを俯瞰していくことにしま

した。面白くなってきた。