九州で毎日、何を支店長録

食が中心になりがちな、ある支店長の備忘録

【福岡】後方で花嫁を見届ける

【この日のシチュエーション】

◆友人の娘さんの披露宴に招待され

自分の娘のように後方席から見つめる◆

 

>式場:THE LUIGANS

>場所:福岡市東区西戸崎18-25

>新婦の幸せ度: priceless

 

コロナの中、招待状が届いた結婚式。

新婦の父とは30年来の友人なので

彼女が産まれた時から知っている。

何のためらいもなく出席に◯をした。

 

少したって彼女からお礼のLINE

彼女いわく、

「コロナだし招待してもなかなか

皆さん来てくれないんです」

と嘆いていたが、

当日は何のなんの、大勢の友達たちが

二人の壇を囲みひっきりなしに

写真を撮っている。

そしてその姿を私と新婦の父親が

末席に立って眺めている。

 

一生懸命考えた結婚式だったと思う。

個人的には若い新郎の友人たちや

新婦の友人たちが、

楽しい余興をしてくれるものだろうと

勝手に思っていたがどちらもなかった。

 

そうか、コロナ禍だもんな。

集まって練習とかできんやん!

とひとりごちて、

振る舞われるコース料理を

一品一品楽しむことにした。

テーブルにナイフやフォークがなかった

ので和食のコースだ。

 

和食のコースの場合、

特に自分が見る点は「旬」の見せ方。

作り手の表現をいかに解釈して

一品を楽しむ。

 

宴が始まる前に小さな小鉢がひとつ。

前菜にしては、、と思い箸を入れ

メニューを見る。

 

鮪と青葱の辛子味噌和え

 

これだけが孤立しており、メニューには

次からが〈前菜〉となっている。

 

前菜の前にあえての一品?

 

前菜はお皿に四品

 

鰹の炙り 生姜と醤油

合鴨の醤油煮と獅子唐の揚げ浸し

紅ズワイ蟹と湯葉  煎酒ジュレ

鱧の変わり揚げ  藻塩と酢橘

 

なるほど、おそらく孤立した鮪は

季節の終わりを告げたんだ、

そこから春に移り変わり鰹がきて

鱧がくる。そう考えると腑に落ちる。

湯葉も春だし、紅ズワイ蟹も

春までは獲れる。しし唐辛子も酢橘も

春から夏をイメージできる。

しかも、煎酒は4、5年前くらい

から健康ブームに乗って見直されてる

昔の調味方法だ。

 

和食は料理人の思いや表現が伝わる。

食べながら日本人で良かったと感じる。

 

ところで結婚式を思えば、

バブル時代に学生だった自分達の

結婚適齢期は、バブルの残り香、というか

感覚的には、ずるずる夢見バブル。

人をいっぱい呼んで盛大に、

ケーキの高さの競いあい。

見栄と自己満足の時代。

どれだけ自分がお人好しの

席埋め要員にされていたか。

思いだしては苦笑い。

 

だから自分の結婚式は

結婚してからも長きに付き合える

友人たち(そこにはこの日の彼もいる)を

絞って、家族入れても50人くらいで

ささやかに行った。

 

この年で思うことはひとつ。

いくらド派手な結婚式をやっても

離婚する人は離婚する。

 

今回、一番時代を感じたのは、

引出物の軽さ?

30年前は重いお皿を持たせ

二次会、三次会へウロウロ。

時代はそこから

カタログギフトに変わったが、

まーこれも厚い冊子で重し。

 

今回は10cm四方の箱。

中にカードが一枚。

QRコードを読み込めば

ネットのギフトショップへ。

 

妻と笑いながら、

いやー、昔もらった当時流行りの

コシノジュンコの二枚皿を思い出すよ、

と懐かしむ。

 

今の若い子たちの青春時代はコロナで大変だったけど

同じ条件を皆が体感しているから大丈夫。

僕らより知恵はあるし、

僕らより見えない明日を乗り越える。

そしてそれはいつか自分を強くする。

未来はこの会場にいる若い人たちにしか

ないのだ。

 

新婦の父親、つまり友人と

夕方に落合い新婦との思い出話を

カウンターで飲みながら昔を懐かしんだ。

もちろん親父の気持ちの方が共感できる。

 

娘を持つ男親は最後は孤独。仕方ないのだ。